ブランド牛とは?
ブランド牛とは一定の条件をクリアした牛のこと。
種類によって黒毛和種やA5・A4ランク以上などその基準はさまざまで、厳しい条件をクリアしないとブランド牛として販売できないため、種類によっては高級とされるものもあります。
今回はブランド牛の人気別にそれぞれのブランド牛の特徴や肥育環境、おすすめの召し上がり方についてご紹介していきます。
ブランド牛と国産牛の違い
国産牛とは、日本で肥育された期間が一番長い牛のことです。
誕生した場所ではなく、肥育されていた期間の長さによって国産か輸入産かを分類するというのが牛肉の特徴です。日本での肥育期間が一番長く、その中でも厳しい基準をクリアしたものがブランド牛となります。
ここからはそれぞれのブランド牛の基準についても詳しくご紹介していきます。
2021年人気ブランド牛ランキング10選
松坂牛
おそらくブランド牛の中でも毎年ランキング上位に来る松坂牛。一番有名な種類ではないでしょうか?
松坂牛とは三重県松坂市およびその近郊で旧松坂肉牛生産者の会会員のもとで肥育され、「松坂牛個体識別管理システム」に登録されている、子を産んでいない雌牛の黒毛和牛のことを指します。
松坂牛は一頭一頭丁寧に愛情を持って管理され、与える餌も個体ごとの成長速度や健康状態によって細かく調整されています。また穀物類をメインとした餌を与えるだけではなく、ビールを与えて牛の肉質をより優れたものにしたり、一頭一頭マッサージするなど、他のブランド牛にはないユニークな肥育方法が実施されています。
霜降りの肉質であり、一度口に入れるとその瞬間にとろけるようなまろやかさを持っています。このまろやかでとろける感じがクセになり、ファンが多い人気ブランド牛となっています。
肉本来の味をしっかりと味わえるステーキでいただくと、松坂牛の肉の旨味と上品な風味を一度に楽しむことができます。
神戸牛
神戸牛は兵庫県内の生産者、生産流通業界、そして消費者の協力のもと設立された「神戸肉流通推進協議会」という団体が定めている厳しい条件をクリアしたものを指します。
この基準がかなり厳しいものであるため、神戸牛はそのブランド価値が上がり、高級ブランド牛として分類されています。
神戸牛は豊かな自然に囲まれたストレスの少ない環境で肥育されます。餌にも生産者ごとのこだわりがあり、一頭一頭それぞれに合わせたオリジナルのものが与えられます。
神戸牛はサシが細かく、赤身本来の旨味と絶妙なバランスで組み合わさっている上質な霜降りが一番の特徴です。また、融点が低いため、口に入れるとすぐに溶けていく食感も神戸牛のファンを増やしている要因のひとつです。
神戸牛もそのとろける食感を味わうため、シンプルに塩胡椒で味付けしたステーキで召し上がっていただくことをおすすめします。
米沢牛
米沢牛は山形県米沢市の置腸地方3市5町で肥育された、子を産んでいないメスの黒毛和牛で、一定の基準をクリアしたもののことを指します。
米沢牛の歴史は古く、明治時代にはイギリス人洋学教師のチャールズ・ヘンリー・ダラス氏が、赴任先の山形から横浜の友人たちのためにお土産として持ち帰り、好評を集めたという話も残っています。歴史と伝統のあるブランド牛ですね。
寒暖差の激しい山形で育ち、与えられる餌は米糠やとうもろこし、麦や稲わらなどさまざまな材料をブレンドしたもの。一頭一頭大切に肥育されています。
きめ細やかな霜降りであることが特徴で、一口食べると口の中に肉の旨みがブワッと広がります。
とろけるような食感や口の中に広がる旨味と香りを存分に味わっていただきたいので、さっと火を通して、レア気味で召し上がることをおすすめします。
近江牛
近江牛は400年以上の歴史があり、日本のブランド牛の中で一番長い歴史を持つものになります。
しかしながら、ブランドとしての歴史は60年ほどとさほど長くはなく、これからますます価値が上がることが期待されているブランド牛です。
近江牛は滋賀県内での肥育期間が一番長い黒毛和牛のことを指します。
豊かな自然や水に囲まれて育った近江牛の肉は、サシが芸術的です。サシが多い割に味もしつこすぎずあっさりとしているため、女性にも人気があります。
ステーキでいただくと、芸術的なサシを視覚で楽しみつつその旨味を舌で味わうことができますので、おすすめです。
これから価値や人気が上がっていくことが予想されますので、チャンスがあるときに是非一度ご賞味ください。
飛騨牛
飛騨牛は岐阜県での肥育期間が一番長く、「飛騨牛銘柄推進協議会登録農家制度」にて認定、もしくは登録されている生産者が14ヶ月以上かけて肥育した牛です。なおかつ日本食肉格付教会が3等級以上のランクをつけないと、「飛騨牛」と名乗ることができません。
岐阜県の広大な土地、清らかな水と空気に囲まれたストレスの少ない環境で肥育され、生産者によって一頭一頭愛情を込めて大切に育てられています。
赤身と霜降りのバランスが芸術的であり、しつこすぎない脂身としっかりとした赤身本来の旨味が口いっぱいに広がります。
その芸術的なバランスを楽しんでいただくためにも、さっと火を通したステーキでいただくことをおすすめします。
佐賀牛
佐賀牛はJAグループ佐賀管内で肥育される黒毛和牛のうち、「日本食肉格付協会」による厳しい基準を満たしたもののことを指します。
佐賀牛の特徴は牛肉の品質を表すランクが確認できる点にあります。ランク付けの方法や評価方法が明確で、条件も厳しいため、しっかりとした品質管理が保証されています。
佐賀の広大な大地で育ち、大切に生産者に育てられ、品質の管理も厳正である点が佐賀牛のポイントとなります。
おすすめの召し上がり方はランクごとでさまざまですが、しっかりとお肉本来の味を味わうためにステーキでいただくことをおすすめします。肉本来の持つ旨味、脂身とのバランスが虜になる味わいです。
石垣牛
石垣牛とは八重山郡内で生産飼育され、日本食肉格付協会の厳しい条件をクリアしたものを指します。沖縄県の石垣島という温暖な環境でのびのびと育てられます。
石垣牛は2000年の沖縄サミットでその名を轟かせました。それ以降は観光客の方にも人気になり、今では日本国内だけではなく、世界的にも人気なブランド牛となっています。
この温暖な環境で育つことによって、脂身が多すぎない、さっぱりとした味わいになります。他のブランド牛と比べてほのかに甘味がすることも特徴です。
比較的あっさり目の味であるため、さっと火を通して召し上がることをおすすめします。
仙台牛
仙台牛とは宮城県内で肥育されている黒毛和牛で、肉質の最高ランクである5等級に分類されたもののことを指します。
宮城県の豊かな自然で生産者の方に、愛情を込めて育てられています。
仙台牛の特徴は、なんといっても最高ランクの5等級に分類されるものなので、口当たりも柔らかく、まろやかな風味と上品な肉汁が口の中にブワッと広がる点です。
ぜひ仙台牛をササニシキやひとめぼれなどの宮城県の特産品として有名なお米と合わせて召し上がると、より一層仙台牛の良さを楽しむことができるはずです。
宮崎牛
宮崎県内で育った黒毛和牛のうち、厳しい基準をクリアした種雄牛を父に持つ宮崎牛は、肉質の等級が4等級以上のもののことを指します。
宮崎牛は、宮崎県の豊かな自然と温暖な気候、生産者の愛情を受けながら育てられています。
そのため肉質もムラなく霜降りが均一に広がり、適度な締まりの赤身肉、そしてそのバランスも絶妙です。
そんな宮崎牛の旨味を口いっぱいに味わうために、さっと湯に通してしゃぶしゃぶでいただくとより一層お楽しみいただけるのでおすすめです。
前沢牛
前沢牛は「味の芸術品」と呼ばれることもあり、「全国肉用牛枝共励会」において最高位の名誉賞を6度も受賞している最高級のブランド牛です。
岩手県奥州市の前沢地域で肥育され、肉質の等級が4等級以上のもののことを指します。
岩手県の穏やかな自然の中で、牛を厳正に管理している生産者のもとで一頭一頭大切に肥育されています。
口に入れた瞬間に感じられる、とろける肉質と香る上品な風味に虜になってしまうでしょう。また芸術品と呼ばれるだけあって、その見た目も大変美しいのが特徴の1つです。
まとめ
今回はブランド牛について、それぞれの特徴や肥育環境についてご説明させていただきました。皆さんもぜひ生産者さんのこだわり抜いた環境で肥育されたブランド牛を、焼肉・すき焼き・しゃぶしゃぶなどでぜえひご堪能ください。