牛肉を生焼けで食べてしまった!これって大丈夫?

牛肉の生焼けについて

生焼けの牛肉を食べてしまったとき、このような気持ちになったことはありませんか?

「何も考えずに食べてしまったけど、食中毒にならないか不安になってきた…」

「豚肉や鶏肉の生焼けが良くないことはよく聞くけど、牛肉は大丈夫?」

「でもレアな牛肉って美味しい。安全に美味しく食べられる方法が知りたい」

本記事では、このような疑問に応えていきます。

生焼けの牛肉の安全性や安心して美味しく食べる方法を紹介しますので、参考にしてみてくださいね。
 

Re:Fit(レフィット)
 

 生焼けの牛肉を食べても大丈夫なのか

生焼けの牛肉を食べても大丈夫?

結論からいうと、鶏肉や豚肉等と異なり牛肉は無菌。生焼けで食べても問題ありません。

肥育環境や体質の影響により細菌が存在しないので、生焼けで食べても問題ないという訳です。

実際にさまざまな飲食店でローストビーフやレアステーキなどが提供されていますよね。しかしここで、「生焼けの牛肉で食中毒になった人がいるのは何故?」という疑問が出てくるのではないでしょうか。

牛肉自体に菌はいませんが、牛肉の部位や状態、間違った扱い方によって細菌が発生、付着する場合があるのです。しかし、正しい牛肉の知識を得ることにより、レアな牛肉を安全に美味しく食べられるので安心してくださいね。

 

 

牛肉による食中毒が起こる原因

お腹の具合がわるい女性

牛肉は生焼けの状態で食べられますが、食中毒になる可能性が全く無いとは言い切れません。牛肉による食中毒が起こる原因や、食中毒の引き金となってしまう細菌について解説いたします。

 

1. 牛肉による食中毒が起こる原因

1-1. 生肉の表面を十分に加熱していない

牛肉自体は無菌といえど、生肉の表面には細菌が付着してしまう可能性があります。生肉を素手で触ったり、まな板で切ったりするときに細菌が移ってしまうのです。

付着した細菌は加熱処理で死滅しますが、加熱が不十分だと細菌が残ったままになってしまいます。

特に気をつけたいのがミンチ肉です。ミンチ肉は加工の工程で生肉の表面が内部に混ざるため、中までしっかり加熱する必要があります。

 

1-2. 生肉の表面に触れたトングや箸で焼けた肉を触る

生肉の表面に触れたトングや箸には細菌が付着しているので、そのまま焼いた肉に触れてしまうと細菌が付着してしまいます。

せっかく加熱処理で細菌を死滅させても、無意味になってしまいますね。

 

1-3. 生肉を切ったまな板や包丁で焼けた肉を切る

焼けた肉を切る際に、生肉を切ったまな板や包丁を使うと細菌が付着します。

まな板や包丁は生肉の表面の細菌だらけの状態なので、その細菌が付着した肉を食べると食中毒になってしまいます。

 

1-4. 傷んでいる肉を使用している

もともと傷んでいる肉は、細菌が内部にまで浸透している可能性があります。

スーパーなどで肉を購入する際は、新鮮な牛肉を見極めることが大切です。

また新鮮なお肉でも常温のまま長時間放置すると、細菌が急激に繁殖、増加してしまうため危険です。

 

1-5. レバーやホルモンの加熱不足

牛肉の内部は無菌ですが、レバーやホルモンなどの内臓には内部にまで細菌が存在します。飲食店等では現在は生食が禁止されています。

中まで加熱せず半生食のまま食べると食中毒になってしまうので、必ず加熱しましょう。

 

2. 食中毒を引き起こす菌

生焼けの牛肉による食中毒の原因として、主にカンピロバクター、腸管出血性大腸菌などが挙げられます。これらは、非常に少ない量でも食中毒を起こす恐ろしい細菌です。

2-1. カンピロバクター

カンピロバクターの潜伏期間は2-5日程度。潜伏期間が長いことが特徴であり、主な症状としては発熱、吐き気、腹痛、下痢、倦怠感、頭痛、筋肉痛などが挙げられます。

手足の麻痺や呼吸障害を起こし、寝たきりになることもある恐ろしい細菌です。

 

2-2. 腸管出血性大腸菌

腸管出血性大腸菌の潜伏期間は3-5日と長く、腹痛や下痢などのほかに激しい血便がみられることも。また、HUS(溶血性尿毒症性症候群)や脳障害を併発して死に至るケースもあります。

食中毒は死に至ることもあるので、症状が出たらすぐ病院に行きましょう。

 

 

 家庭で牛肉を安全に食べる方法

レアのローストビーフ

牛肉による食中毒が起こる可能性はゼロではなく、恐ろしい病気であることがわかりました。「もう牛肉は怖くて食べられない…」と思っている方もいるのではないでしょうか?

しかし、下記の対策法を実践すれば家庭で牛肉を安全に食べられるので安心してくださいね。

 

1. 牛肉による食中毒を防ぐための対策

1-1. 二次感染を防ぐ

二次感染とは、調理器具や素手から細菌が付着した肉を食べ、食中毒に感染することです。二次感染を防ぐために、生肉が触れたまな板や包丁はよく洗って熱湯消毒しましょう。

また、生肉を扱った箸やトングを調理後の肉を食べるときに使用するのも厳禁。生肉が触れた手をしっかり洗うことも大切ですね。

 

1-2. 適切な加熱方法で細菌を死滅させる

細菌の死滅には、75度で1分間の加熱が必要です。これは厚生労働省が定めた加熱基準であり、カンピロバクターや腸管出血性大腸菌を含むほとんどの食中毒の細菌が死滅します。

調理する際は、フライパンで中火〜強火で1分間の加熱を目安にすると良いでしょう。

 

2. 家庭でおすすめの調理法

家庭でおすすめの調理法として、低温調理があります。低温調理とは、湯せんなどにより比較的低い温度で少しずつ肉の内部まで熱を伝える調理法であり、肉の水分が失われずにジューシーに仕上がることが特徴です。

低温調理の適切温度は、58-65.5度といわれています。よって、75度で1分間の加熱と同等の殺菌効果がある63度で30分間加熱すれば、菌を死滅させつつ柔らかくしっとりした仕上がりにできます。

 

3. レアな牛肉を食べてはいけない人

小さいお子様や高齢者、妊婦の方はレアの牛肉を食べることは控えましょう。抵抗力が弱いため食中毒になりやすいのです。しっかり中心部まで加熱して、安心できる状態で口に入れましょう。

 

 

家庭でレアの牛肉を美味しく食べるレシピ

家庭でレアの牛肉を安全に美味しく食べるレシピを紹介します。
どれも簡単ですので、是非試してみてくださいね。

 

1. 玉ねぎソースのしっとりローストビーフ

玉ねぎソースのしっとりローストビーフ

材料(3-4人分)

<肉>

・牛もも肉(塊):400-500g
・塩:小さじ1
・こしょう:小さじ1
・オリーブオイル:適量
・ブラックペッパー:適量
・ニンニク(すりおろし):1かけ分

<ソース>

・玉ねぎ(すりおろし):1個
・醤油:大さじ4
・みりん:大さじ4
・赤ワイン:大さじ3
・にんにく(すりおろし):小さじ1
・バター:10g

① 肉を常温に戻す。
② 塩、こしょう、ブラックペッパーを全体にすりこむ。
③ フライパンをあたためて、オリーブオイルを全体に広げる。
④ 強火で肉の表面すべてを1分以上しっかり加熱する。
⑤ ジップロックに肉を入れ、空気を抜く。
⑥ 鍋にお湯を沸騰させ、ジップロックに入れた肉を鍋に入れる。
⑦ あたたまってきたら1度袋を開け、中心温度計で肉の内部が63度以上であるか確認する。
⑧ 63度以上であることを確認した後に、30分間あたためる。
⑨ フライパンにバターを溶かし玉ねぎとニンニクを炒め、赤ワインと醤油、みりんを入れて煮詰めてソースを作る。
⑩ 加熱が終わった肉を薄く切って皿に盛り付け、ソースをかけて完成!

 

2. 柔らかレアステーキのわさび醤油ソースがけ

柔らかレアステーキのわさび醤油ソースがけ

材料(2人分)

<肉>

・ステーキ用の肉:2枚(300-400g)
・サラダ油:適量
・塩:適量
・こしょう:適量
・ブラックペッパー:適量

<ソース>

・バター:10g
・わさび:大さじ1/2
・酒:大さじ1/2
・醤油:大さじ1と1/2

① 肉を常温に戻す。
② 塩、こしょう、ブラックペッパーを表面に振りかける。
③ フライパンをあたため、サラダ油をフライパン全体に広げる。
④ 肉をフライパンに入れ、強火で表面を1分以上加熱する。
⑤ 肉をアルミホイルに包み、2-3分ほど時間を置く。
⑥ 肉を焼いたフライパンに酒を入れ煮立たせ、バターと醤油、わさびを入れてソースを作る。
⑦ アルミホイルから肉を出し、お好みの厚さに切って皿に盛ってソースをかけたら完成!

 

3. コク旨バルサミコソースのタリアータ

コク旨バルサミコソースのタリアータ

材料(3-4人前)

<肉>

・和牛サーロインか赤身:400g
・塩:適量
・こしょう:適量
・ブラックペッパー:適量
・ニンニク(すりおろし):1かけ分
・ローズマリー:適量
・オリーブオイル:小さじ2-3

<ソース>

・バルサミコ酢:大さじ4
・はちみつ(砂糖でも代用可):大さじ1
・醤油:小さじ1
・塩:適量
・こしょう:適量
・バター:10g

<その他>

・パルミジャーノレッジャーノ(粉チーズでも代用可):適量
・お好みの野菜:適量

① 肉を常温に戻す。
② 肉全体を軽くフォークで刺し、全体に塩とこしょう、ブラックペッパーを振りかける。
③ フライパンをあたためて、オリーブオイルを広げる。
④ 肉をフライパンに入れ、強火で表面を1分以上加熱する。
⑤ 肉とニンニク、ローズマリーをジップロックに入れる。
⑥ 鍋にお湯を沸騰させ、ジップロックに入れた肉を入れる。
⑦ あたたまってきたら1度袋を開け、中心温度計で肉の内部が63度以上であるか確認する。
⑧ 63度以上であることを確認した後に、30分間あたためる。
⑨ バルサミコ酢、はちみつ、醤油を全て小鍋に入れて煮詰め、とろみが出たら塩とこしょうで味を整えてソースを作る。
⑩ 加熱が終わった肉を薄く削ぎ切りして、好みの野菜を散らした皿に乗せる。
⑪ パルミジャーノレッジャーノを振りかけ、バルサミコソースをかけたら完成!

 

 

まとめ

牛肉は生焼けの状態でも食べることができます。しかし、牛肉の部位や状態、不適切な扱い方によっては食中毒を引き起こす可能性があるので注意が必要です。

牛肉による食中毒の原因や対策を理解し、レアの牛肉を安全に、美味しく食べましょう!