日本は何位?牛肉消費量世界ランキング

牛肉の世界ランキングについて

世界中で食べられている「牛肉」。もっとも消費量が多いのはどこの国なのでしょうか?また、日本が何位にランクインしているのかも気になるところ。そこで今回は牛肉消費量世界ランキングと日本の順位をご紹介します。
 

ツナガル行政書士
 

日本の牛肉はどうやって作られたのか?

牛鍋(すき焼き)

牛肉が日本で一般に食べられるようになったのは1870年ごろ。当時の牛肉料理といえば「牛鍋(すき焼き)」。すき焼きが美味しく食べられる牛肉を研究した結果、現在のやわらかい「和牛」が作られるようになりました。

とくに1991年に農産物輸入が解禁されて以来、安い輸入牛肉との差別化を図るために、霜降りに特化した和牛が開発されるようになったのです。

 

日本のブランド牛の格付けとは?

世界で通用するA5ランク

ブランド牛のランクを決める「格付け」は牛肉の品質を客観的に評価したもの。アルファベットの部分を歩留(ぶどまり)等級といい、「牛1頭からどれだけ商品になる牛肉が取れるか」を表しています。A~Cの3段階に分けられ、「A」が最高ランクです。また数字の部分は”肉質等級”といわれる、「牛肉の色沢」「脂肪の色沢と質」「肉の締まりときめ」「脂肪交雑」の4つを総合的に評価したものです。1~5の5段階で表されます。

 

実は格付けが高いものが美味しいわけではない!?

A5ランク牛肉

A5ランクの牛肉と聞くと「美味しそう!」と思う方が多いはず。けれど格付けは味を評価する項目がないので、高いものが美味しいと限りません。日本では霜降りの入った牛肉が好まれるので、脂肪の多いA5ランクの牛肉が美味しいと思われるようになりました。ジューシーでやわらかい霜降り肉が好きか、あっさりした味の濃い赤身肉が好きか、なにを美味しいと感じるかは人それぞれ。格付けはお肉を買うときの一つの目安として考えましょう。

 

日本の肉食の歴史は浅い

日本の食文化の歴史ですが、海外諸国とは少し異なる特徴があります。仏教の兼ね合いで肉食禁止令が度々出され、「動物を殺生してその肉を食べる=悪」という意識が刷り込まれていました。675年に初めて天部天皇により肉食禁止令が出され、そこから約1200年間にわたって人々は魚、米、ほか農作物などを食事の中心としていたのです。そして1871年、明治天皇が自ら牛肉を食べ、肉食は解禁されたという歴史があります。これには政治的背景があるようで、肉食を促進することにより日本人の体格・体力などを強化し、西洋諸国と肩を並べたいといった思惑があったとされています。

 

日本は何位?牛肉消費世界ランキングTOP10

ここでは世界の牛肉消費ランキングをご紹介!

10位 パキスタン

ティッカ・ボッティ・バーベキュー

出典:compathy

インドとアフガニスタンの間に位置するパキスタン。パキスタン料理の特徴は香辛料とお肉を使ったものが多いことです。とくに近年は人口の増加によって牛肉の消費量が増加。牛肉のカレーや、牛肉を使ったビリヤニ、ケバブなどがよく食べられています。また牛肉をニンニクやショウガ、スパイスなどで味付けした「ティッカ・ボッティ・バーベキュー」も有名です。

 

9位 カナダ

スモークミート

出典:ゆらゆら。まったり。

移民大国のカナダは食のバラエティーが豊富。カナダが誇るブランド牛「アルバータビーフ」は赤身が多いですが、肉質はびっくりするやわらかく、火を通しても硬くなりません。カナダで牛肉料理といえば「スモークミートのサンドイッチ」。スモークミートは牛肉を自家製のスパイスに漬け込み、燻製したもの。薄くスライスしてマスタードと一緒にパンとはさみます。そのほか、ステーキやミートパイも人気です。

 

8位 フランス

ブッフ・ブルギニョン

出典:東京カレンダー

美食の国フランス。そんなフランスの国民食といわれているのが「ステック・フリット(ステーキとフライドポテト)」です。「ブッフ・ブルギニョン」とよばれる、牛ほほ肉を赤ワインで煮込んだものも大人気。生の牛肉を細かくし、塩こしょうなどで味をつけ、香草や薬味を添えた「牛肉のタルタル」もフランス料理の定番です。

 

7位 ロシア

ビーフストロガノフ

ロシアも牛肉の消費量が多い国です。とくに経済制裁にともない欧米諸国から牛肉の輸入が途絶えてから畜産業を強化し、牛肉が美味しくなったといわれています。ロシアで定番の牛肉料理は「ビーフストロガノフ」。サワークリームと白ワインで牛肉を煮込んだものです。そのほか「コトゥレタ」というハンバーグのような料理が多くの人に親しまれています。

 

6位 メキシコ

アラチェラ

出典:マルガリータ

タコスで有名なメキシコも牛肉大国です。「アラチェラ」という牛肉をスパイスとハーブ、オリーブオイルに長時間漬け込んで焼いたものは、メキシコの人気料理。牛肉のステーキ、ワカモレ、メキシカンライスなどを盛り付けたワンプレート料理「タンピケーニャ」もよく食べられています。

 

5位 オーストラリア

ミートパイ

オーストラリアいえばオージービーフ。うまみが強い赤身が特徴的で、霜降りが入った和牛とはまた違った味わいが楽しめます。家族や友人とBBQをするのがオーストラリア人の週末の過ごし方。たっぷりの牛肉とグレービーソースをパイ生地に包んで焼き上げた「ミートパイ」はオーストラリアのソウルフードです。

 

4位 アルゼンチン

アサード

アルゼンチンでは、なんと人口の約3倍もの牛が放牧されています。ステーキなどが日常的に食べられていて、主食が牛肉といっても過言ではありません。「パリージャ」という肉料理専門店ではさまざまな肉料理が楽しめます。シンプルに基本的に塩だけで味付けし、炭火でじっくり焼き上げた「アサード」はアルゼンチンの定番料理です。

 

3位 中国

牛ステーキ

中国で牛肉を使った料理はチンジャオロースやオイスターソース炒めなどがありますが、それほど種類は多くなくあまり食べられていませんでした。しかしここ数年、都市部を中心に急激に消費が拡大し消費量第3位にランクイン。焼肉やステーキ、火鍋、串焼きなどのレストランが増え、若い世代に大人気です。

 

2位 ブラジル

シュラスコ

牛肉消費大国のブラジルは生産量もトップクラス。なんと年間で一人当たり約30kgも食べるといわれています。牛肉のかたまりを直火で焼き、表面をそいで食べる「シュラスコ」はブラジルの定番料理。仲間を集めてビールを片手にシュラスコを楽しむのがブラジル流の休日の過ごし方です。

 

1位 アメリカ

アメリカンステーキ

世界の牛肉消費量ランキング1位に選ばれたのがアメリカです。多民族国家のアメリカはたくさんの料理がありますが、とくに多いのが牛肉料理で、一般家庭でも頻繁に分厚いステーキを食べるのだそう。アメリカの定番料理のハンバーガーはもちろん、バーベキューやミートローフなど牛肉を使った料理が好まれています。

アメリカ産といえば、赤身ステーキなどが一般的ですが、実は日本の焼肉で人気の牛タンのほとんどがアメリカ産なのです。味もおいしくネット通販でも手ごろな価格で販売されています。

 

日本は28位

日本の牛肉消費量ランキングは28位でした。日本では食肉禁止令が出てから明治時代までの約1200年間、お肉を食べてきませんでした。むかしから魚介を好んで食べていましたが、食の欧米化が進み、牛肉をより多く消費するように。昭和50年には1人当たりの牛肉の供給量は約2.5gでしたが令和元年には6.5gにもなりました。昔からあるすき焼きやしゃぶしゃぶ、牛丼などに加えて、近年は焼肉店や熟成肉のブームもあり消費量が急増しています。

 

まとめ

牛肉消費量世界ランキングや牛肉の格付けについてご紹介しました。南米や北米の国が数多くランクインしています。日本は輸入牛肉に差をつけるために霜降りを多くし、独自の進化をしてきました。格付けが高いからといって美味しいとは限りません。食べ方や好みに合わせて選びましょう。