牛肉を生食で食べる際の注意点と生食可能な商品をご紹介!

牛肉の生食について

牛肉、豚肉、鶏肉と普段食べることの多いお肉のなかで牛肉は唯一、生で食べられるお肉です。飲食店では、牛刺しやユッケなどを提供しているところもあります。
 

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牛肉は生で食べても安全!?

牛の生肉

ステーキを食べるとき、豚、鶏は中まで火を通さないと危険だといわれますが、牛肉は中がレアでも食べることができます。

それは、菌が多く付着しているのは牛肉の表面であり、表面を処理したものであれば生肉として食べても問題ないからです。

しかし2011年に、焼肉店で提供された生肉の表面部分がきちんと処理されていなかったことが原因で、食中毒による死亡事件が起きてしまいます。これよってルールが厳しくなり、肉の表面を加熱+肉内部を温度60℃で2分加熱+表面の肉をそぎ落とすことにより、中の肉を生肉として提供してもよいというものに変更されました。

結論をいうと、現在はルールが厳格化されたことで、安全に生肉が食べられるようになっています。

牛肉はなぜ生食ができるのか

先ほど記載したように、牛肉は鶏や豚と違い表面にしか菌や寄生虫が存在していないため、加熱処理をすれば中は生肉として食べられます。

しかし、もともと牛肉の表面にも菌は殆ど存在せず、カットする段階のまな板であったり、人の手によって菌が繁殖してしまうので、表面の加熱処理が必要になります。

牛レバーの生食は禁止

牛レバーが禁止されたのは、前述の2011年の食中毒による死亡事件が原因です。それまでは、牛レバー肉の表面を処理すれば生食可能とされていました。しかし、この事件をきっかけにおこなった検査の結果、レバ刺し用の肉の内部から、死を引き起こすこともある「腸管出血性大腸菌(別名O-157)」が検出されました。これにより、2012年から法律によって牛レバーの生食は禁止されました。

生の牛肉を安全に食べるための条件

1. 専用の設備、器具

器具及び手指の洗浄及び消毒に必要な専用の設備を備えた衛生的な場所で、清潔で衛生的、洗浄及び消毒の容易な不浸透性の材質の、専用の器具を用いることが決められています。

2. 加熱処理

肉の表面から深さ1㎝以上を60℃で2分以上加熱し、加熱後はすぐに4℃以下で冷却すること、調理したら速やかに提供することが決められています。

そして、加熱殺菌に係る温度および時間の記録を1年間保持することが条件です。

3. 成分規格・保存基準

生食用食肉の成分規格は、「腸内細菌科菌群が陰性」であること。

保存基準は、「陰性確認の検査記録を1年間保存」することです。

4. 保存方法

清潔で衛生的な容器包装に入れ、4℃以下で保存しなければいけません。ただし、生食用食肉を凍結させたものに関しては、-15℃以下で保存することとされています。

5. 専門の知識を持った資格者

生食用食肉の加工・調理は、認定生食用食肉取扱者が行うこと。

適切に加工処理された生食用食肉を仕入れ、調理だけを行う場合は、その施設の食品衛生責任者が「認定生食用食肉取扱者」として認められます。

 

牛肉を生で楽しめるメニュー

① ユッケ

牛ユッケ

もともと韓国料理であるユッケ。ユッケは韓国語で、「肉の刺身」という意味です。生肉に卵黄やコチュジャンをかき混ぜていただく料理です。ユッケの販売が認められている会社は、現在日本で5つほどしかありません。

その中でも日本で1番はじめにユッケ販売を始めたのが、「さがえ精肉」です。冷凍配送され、食べ方など詳細に記載した紙が同封されます。しっかり注意事項を守って、おいしくいただきましょう。

 

② 牛刺し

牛刺し

ユッケが韓国風の肉の刺身なら、牛刺しは日本の肉の刺身です。生肉を醤油でいただきます。

しかし牛刺しは通販サイトで販売されているものの、国の基準を満たしているものはなく、食べる際はすべて自己責任となります。どうしても食べたい場合は、国の基準を満たしている施設でいただきましょう。

 

③ 牛たたき

牛たたき

牛のたたきは、カツオのたたきと同じ調理方法です。肉の塊の表面に炭や鉄板で軽く焼き色を付け、すぐに冷やします。冷やしたら切り分け、醤油や生姜など好みの調味料で食べる料理です。

贈答用としても人気なのが、「旭屋」の神戸牛のたたきです。しっかり加熱処理がなされており、解凍したらそのまますぐに食べられます。生食に近い触感と、お肉本来の味が楽しめるため、おすすめです。

牛のたたきは自宅でも比較的簡単に調理できます。自宅で調理する場合は、加熱したら冷やさずアルミホイルなどで包み、粗熱が取れたらお肉をカットします。お好みの調味料をつけていただきましょう。

 

④ センマイ刺し

センマイ刺し

センマイは腸の部分の一部になります。牛の腸は4つに分かれており、ミノ・ハチノス・センマイ・ギアラと呼ばれます。センマイは第三胃と呼ばれ、内壁が千枚くらい重なっていることからセンマイといいます。

お店では黒センマイ、白センマイという名で提供されていますが、全く同じ部位です。センマイ刺しは、センマイをお刺身のようにいただける料理です。しかしセンマイは生では食べられないので、センマイのヒダを一枚一枚丁寧に洗い、ヒダの裏側もこするように丁寧に洗う必要があります。

沸騰した湯にセンマイを入れて3分程茹で、冷水に入れてカットし、このまま提供したものが黒センマイで、一般的にはコチュジャンやポン酢につけて頂きます。

一方で、冷水につけた後、センマイをこすると皮が剥がれて白くなるのですが、その状態を白センマイと呼びます。白センマイはとても手間がかかる作業の為、高級焼肉店で提供されていることが多いです。鉄分が豊富で触感も良いことから、人気の部位ですね。

センマイもお取り寄せができる部位です。下処理、湯通しされた状態で送られてきます。鮮度が落ちやすいので、開封したら当日中に食べ切ることをおすすめします。

 

まとめ

最近は、生肉を焼肉店で見かけることがほとんどなくなってしまいました。たまに生肉のメニューがあっても、やはり食中毒のことが頭をよぎってしまい、頼むことはほとんどないという方もいらっしゃるのではないでしょうか?

しかし、お肉に対するルールが厳格に定められ、法律も作られている現在、生肉を提供しているお店はしっかりとルールを守り、国にも認められている店であるため、むしろ安心して生肉をいただくことができます。

自宅で調理する場合は、しっかりと下処理されたお肉を購入し、まな板、包丁は分け、消毒も徹底して料理しましょう。