牛肉を常温で放置してしまった!食べても大丈夫?
牛肉を常温で放置した場合、そのまま食べられるのか心配になりますよね。見た目に違和感がなくても、雑菌が繁殖しているのではないか不安になる方も多いでしょう。スーパーで買った牛肉も、つい冷蔵庫に入れ忘れてしまうことはよくあります。買い出し中に雨が降り、自宅に戻って一目散に洗濯物を取り込むなら、買った食材は二の次になることも珍しくはありません。落ち着いた頃、テーブルの上に放置してあるお肉を見て、ゾッとしたことがある方もいるのではないでしょうか。
牛肉を常温で放置したときこそ、時間で判断することが大切です。短時間なら、そのまま加熱して食べることもできるので安心してください。今回は、牛肉を常温で保存した場合の対処法、痛んだ牛肉の見分け方についてご紹介します。
常温保存の目安
牛肉の常温保存の目安は夏場は30分、冬場は2時間とみることができます。温度にもよりますがこれ以上長く放置するなら、お肉の鮮度が低下しやすいです。空気に触れる面積が大きい牛肉ほど、すぐに腐りやすいので気を付けていきましょう。例として、塊(ブロック)よりひき肉の方が危険度は増します。また、あくまでも目安の時間になるので、腐敗臭がしたらもったいなくてもすぐに廃棄処分してください。特に夏場はすぐダメになりやすいので、なるべく常温保存をすることのないように気を付けてください。
スーパーで牛肉を購入した後は、どこにも寄り道することなく真っ直ぐ自宅に帰ることをおすすめします。ちょっとコンビニに寄っただけでも、お肉の鮮度を低下させる原因になるので注意してください。
スーパーでもらえる袋に入れて持ち帰るのではなく、保冷付きのエコバッグを利用してください。また、無料の氷を必ずもらうことをおすすめします。冷蔵保存したときに近い効果が期待できるでしょう。
冬場は雪が降る地域こそ、牛肉を常温保存しても傷みにくい特徴があります。しかし、お肉は冷蔵・冷凍保存がもっとも望ましいことを忘れないでください。他にも、常温保存のよくある場面として、車に置き忘れるケースがあります。自宅に帰ってきて、やることがたくさんあって、つい後部座席においた食品の存在を忘れてしまうこともあるでしょう。車内での牛肉の放置こそ、かなり傷みやすいです。数分おこなっただけでも雑菌が繁殖しやすいので気を付けていきましょう。
牛肉の常温保存の目安時間を参考にしたうえで、すぐに冷蔵・冷凍保存をしてください。
消費期限内・賞味期限内なのに食べらない?
消費期限はお肉や野菜などに使われ、賞味期限はスナック菓子や調味料などに利用されますが、どちらも基本は同じです。消費・賞味期限はどちらも容器などから出しておらず、適切な温度で保存した場合の期限なので、常温で放置した場合は消費期限・賞味期限は関係なくなりますので、調理する前に注意しましょう。
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痛んだ牛肉の見分け方
痛んだ牛肉の見分け方は、「臭い」、「色味」、「手触り」で判断することができます。1つ目の「臭い」では、腐敗臭はしないか確認していきましょう。牛肉に鼻を近づけたとき、ツーンとくる臭いはするでしょうか。異臭がすると、思わず顔をしかめたくなる不快感を覚えやすいです。人によっては生ゴミの臭いと例えたくなることがあるでしょう。
また、反対に酸っぱい臭いがすることもあります。牛肉が腐りはじめた証拠と捉えられるので、やや危険な状態となります。人によってはヨーグルトの臭いに近いと感じるでしょう。
2つ目の「色味」では、変色していないか確認していきましょう。鮮度の高い牛肉は、赤・ピンク色をしていることが多いです。反対に緑色のお肉は腐っている証拠と捉えられるので、もったいなくても廃棄処分してください。はっきりした緑色ではなく、モヤがかかった印象を覚えることもあります。加熱しても、鮮度が高い状態に戻ることはありません。わからないまま食べてしまうなら、お腹を下す可能性があるので、気をつけてください。
また、複数のお肉の中でも、1枚だけ緑色で、他は赤・ピンクの色味をしている場合があります。見た目に変化はなくても雑菌が繁殖している可能性が高いので、すべて廃棄処分してください。
3つ目は、「手触り」がネバネバしないか確認していきましょう。牛肉が腐っていると、まるで納豆のように糸を引きやすいです。中には、引っ張っても途中で切れないほどのぬめりが確認できます。また、触ってみてザラザラしている部分があるなら、カビが生えている可能性が高いです。牛肉の手触りに違和感を覚える場合、そのまま廃棄処分してください。痛んだ牛肉の見分け方は、臭い、色味、手触りを3つ併せて確認することが大切です。
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レシピに書いている”常温に戻す”って?
料理を作るときに目にすることがある「常温に戻す」の表記は「室温で30分放置」を意味します。牛肉を冷たい状態で加熱すると、中まで十分に火が通らない場合があるので、常温に戻す工程が必要です。冬場の限度が、室温で30分放置する位ほどでしょうか。夏場は、さらに目安の時間が短くなると考えてください。クーラーを入れていない部屋なら、すぐにお肉が傷みやすいので気をつけていきましょう。その場を離れず、つきっきりで見ていることが推奨されます。
30分以上放置すると、残念ながら腐敗がすすみやすいです。色味、臭い、手触りの3つのポイントを併せてチェックしたとき、違和感があるなら、腐りはじめの証拠と捉えられるので、そのまま廃棄処分してください。また、牛肉を常温に戻すのは、あくまでも冷蔵で保存していたものに限ります。冷凍したお肉は、解凍を待たず、そのまま加熱していきましょう。常温に戻すと、うまみ成分が抜けてしまう可能性があるためです。
鮮度が高い牛肉を料理に使いたいなら「常温に戻す」の「室温で30分放置」の目安時間は、しっかり守っていきましょう。
牛肉に付着している菌や寄生虫って?
食中毒菌(主に肉の表面に付着)
リステリア・モノサイドゲネス
腸管出血性大腸菌
サルモネラ菌
カンピロバクター etc
寄生虫(主にホルモン等の内臓系部位に付着)
肝蛭(かんてつ)
サルコシスティス
無鉤条虫(むこうじょうちゅう) etc
上記のような菌や寄生虫は、温かい場所で繁殖、動きが活発となります。そういう観点からも、ご紹介してきたように適切な時間での常温保存を心がけましょう。
まとめ
牛肉を常温保存したなら、そのまま食べても良いか不安になることはありますが「夏場は30分、冬場は2時間」の目安時間内なら、鮮度は保たれている可能性が高いです。5分程度放置しただけなら、食べられる場合がほとんどなので安心してください。
しかし臭い、色味、手触りの3つを併せてチェックしたとき、違和感が生じるなら、腐りはじめている証拠です。食べることのないように気を付けていきましょう。十分な加熱してもお腹を下す場合があります。
牛肉を常温保存したとき、放置した時間を逆算して、お肉に違和感がないか確かめることが大切です。ぜひ、家族や友人に鮮度の高い牛肉を使った、とっておきの料理を振る舞っていきましょう。