牛肉のツラミとは?部位のカロリー&おすすめの食べ方ご紹介!

牛肉のツラミについて解説

 

ツナガル行政書士
 

牛肉のツラミとは?

牛肉のツラミの位置

部位

牛肉のツラミは、顔の肉のことであり、頬から取ったものです。顔を意味する「面(つら)」から名前が付けられています。どの部位だったか思い出せなくなったら、「面の皮」「面構え」といった言葉を思い出してみましょう。

他にも、そのまま「ホホニク」という呼び方や、「カシラ」という呼び方があります。カシラは、頭部全体の肉を指しており、頬の肉も同じ呼び方をする場合があるのです。

顔の頬だけなので、1頭から取れる量はあまり多くありません。約1kg程度しか取れないので、牛肉の中ではレアな部位となっています。

希少なものは値段が高いので、普段から気軽に購入できる部位ではありませんが、人気の部位なのでお金に余裕がある時は、ぜひ食べてみてください。

 

特徴

ツラミの肉質は、脂を含んだ赤身肉です。しかし、モモ肉などの枝肉とは違い業界内では副生物(ホルモン)として扱われています。

ほどよい脂と豊富なゼラチン質があるため、噛むほどに旨味が滲み出し、じっくりと味わえる部位です。牛肉の美味しさをゆったりと楽しみたい人は、一切れずつ噛みしめるように食べてみてください。

また、新しい部位を買ってみたい気持ちがありつつ、「できれば冒険はしたくない」という人にもおすすめです。ツラミには、赤身肉に負けないくらいの上質な旨味があるため、下手に癖の強いものを選ぶより、失敗しにくいでしょう。

 

カロリー

ツラミのカロリーは、100gあたり250kcalなので、一般的には少し高めです。とても美味しい部位ですが、食べすぎると後悔することがあるので、量には注意しておきましょう。

とはいえ、他の部位には300~400kcal以上のものもあるため、牛肉の中では特別に高い部類ではありません。高い肉を食べてみたくても、カロリーが気になって購入できずにいる人は、ツラミを候補に加えてみてください。

ツラミが含有する栄養素として、ゼラチンやタンパク質があります。豊富なゼラチンとタンパク質は、美容やダイエットのために重要なものです。健康のためにヘルシーな肉料理を考えている人は、ツラミを食べ、必要な栄養素も補っていきましょう。無理にたくさん食べるとカロリーオーバーが心配ですが、適度な量であれば、健康のプラスになります。

 

ツラミの味・食感は?

濃厚な味を楽しめるツラミ

ツラミは、濃厚な肉の風味を楽しめる部位です。長時間の煮込み料理にも耐えられるほど、濃い味がギュッと凝縮されています。そのため、どんな料理でも、しっかりした牛肉らしい美味しさを感じることができるでしょう。

ツラミには、「脂肪が少ない」というイメージを抱いている人がいますが、実際には適度な脂もあります。脂身の美味しさも、濃い風味と一緒に楽しんでみてください。

 

食感

頬の肉は、何かを食べる時によく動かすことになるため、硬めの食感となっています。かなり歯ごたえがあるので、何度もよく噛み、時間をかけて食べるようにしましょう。

ツラミを提供するお店では、厚すぎて食べにくくなる可能性を考慮し、薄くスライスすることが多いですね。購入して自分で食べる際も、薄めに切っておいた方が、失敗しにくいでしょう。

硬い食感のある部位には、咀嚼回数が増えることで、満福中枢が刺激されるというメリットもあります。大量に食べなくても、繰り返し噛んでいるうちに満腹感が強まり、適度な量で終わらせることができるのです。

特に国産のツラミは希少価値が高く、あまりたくさん食べられない部位なので、噛んで味わう時間を、じっくりと楽しむようにしましょう。

 

 

ツラミのおすすめの食べ方

ツラミは濃厚な風味をもつ部位であるため、タレで食べる場合はさっぱりしたものを選んだほうが、食べやすくなります。

味の濃い肉にさらに濃いタレを加えてしまうと、「濃すぎる」と感じることもあるので、注意してください。少量の塩コショウやレモンなどを用意し、あっさりした味付けをしておけば、ツラミ本来の味わいもしっかり楽しむことができるでしょう。

また、赤ワインとセットで食べる方法もおすすめです。赤ワインと濃厚な牛肉は相性が良いので、より美味しく感じることができます。長時間煮込んでも型崩れしにくく、味も損なわれないためワイン煮込みを作ってみるのもいいですね。

 

 

ツラミのおすすめの焼き方

ツラミを焼いて食べる場合は、あまり念入りに焼かず、軽く火を通す程度にしておいてください。焼きすぎると元から硬いツラミがさらに硬くなってしまい、美味しく食べられなくなります。

必要以上に焼いてしまった場合に問題となるのは、ゼラチン質の減少です。ツラミは豊富なゼラチンを含んでいますが、焼きすぎると脂になり、すっかり抜けてしまいます。ゼラチンを失ったツラミはとても硬いスジ肉のような状態となり、いくら噛んでも、細かく砕けなくなってしまうのです。

薄くスライスしたツラミを、軽く炙る程度にしておけば、ゼラチンが抜けすぎて硬くなる心配はありません。

特に薄切りのツラミはミディアムレアくらいを意識しながら、一番美味しくなる焼き方なので一度試してみましょう。

 

 

ツラミのおすすめレシピ

ツラミの赤ワイン煮込み

ツラミの赤ワイン煮込み

材料

ツラミ600~800g、赤ワイン1本、角切りベーコン50g、小麦粉大さじ2杯、玉ねぎ1/2個、ニンジン1/2個、セロリ1/3個、小玉ねぎ約20個、マッシュルーム2パック、ブーケガルニ1束、サラダ油小さじ2杯、塩大さじ1杯、砂糖・コショウ適量

作り方

(1)鍋に赤ワインを入れ、量が半分に減るまで煮る
(2)ツラミに塩コショウと小麦粉(分量外)をまぶす
(3)ベーコンを弱火で炒め、鍋に入れる
(4)ベーコンの脂が残ったフライパンでツラミに焼き色を付け、鍋に入れる
(5)玉ねぎ、ニンジン、セロリを同じ炒め、小麦粉を加えて混ぜる
(6)野菜とブーケガルニも鍋に入れ、全体が隠れる量の水を加え、強火で煮る
(7)アクをすくって2時間煮込んだら、ツラミを取り出し、煮汁を濾す
(8)濾した煮汁とツラミを鍋に戻し、小玉ねぎとマッシュルームも加えて20~30分煮る
(9)味見をしながら、砂糖で味を整える
(10)ツラミを取り出し、カットして盛り付ける
(11)煮込んだソースをかけ、他の具材も盛り付けて完成

 

 

【番外編】超超希少部位「コメカミ」

文字通りコメカミ部分のお肉のため、ツラミと同様、牛の顔にある部位です。

ツラミのほど近くに位置する部位なのですが、狂牛病の問題により生後30ヶ月未満の仔牛から取ったものでないと食べることはできないとされています。そのため、一般にほとんど流通しておらず、かなりの希少部位といえます。

肉の風味もツラミとよく似ていますが、食感はより柔らかいものとなっています。精肉店や焼肉店でも滅多にお目にかかれない代物ですが、機会があれば食べてみてくださいね。

 

 

まとめ

ツラミは希少な部位であり、値段も高めなので、普段はあまり食べる機会がないものです。お店に行っても見かけないことが多いため、「初めて聞いた」という人もいるかもしれません。

しかし、インターネットで探せば、美味しいツラミを簡単に見つけることができます。興味がある人は、通販を利用し、ぜひ食べてみてください。

知名度は高くありませんが、とても美味しいので、「たまには食べたことがない牛肉を」と考えているならおすすめの部位です。

焼き加減などに注意しつつ、好みの方法で調理すれば、濃厚で深い味わいを何度も噛んで楽しむことができるでしょう。