埼玉県のブランド牛を食べよう!
東京の北部に位置し、首都圏エリアに含まれる埼玉県。国内のブランド牛に関して、すぐに埼玉県を思い浮かべる人は少ないのではないでしょうか。確かに埼玉県はブランド牛の生産地としては比較的歴史が浅く、まだ全国的に知名度が高いというわけではありません。
ですが、豊かな自然の中で、品質の高い牛の生育に力を注いでいる生産者は埼玉県にも当然いらっしゃいます。そうした生産者に愛情を込めて丁寧に育てられたブランド牛は、知る人ぞ知る逸品ともいえるでしょう。
ぜひ一度、埼玉県のおいしいブランド牛を食べてみませんか?ブランド牛の特徴やおすすめレシピなどをご紹介します。
埼玉県のブランド牛
埼玉県で育てられた代表的なブランド牛は以下の3つです。おすすめランキングの順に見ていきましょう。
ランキング1位:武州和牛(ぶしゅうわぎゅう)
武州とは、埼玉県や東京都などを呼ぶ古い地名の「武蔵国」のことです。この歴史ある地名がブランド牛の名につけられています。
牛の品種は黒毛和種。肉質はきめ細かく、鮮やかな赤色の肉の中に見事なサシが入っています。優れた風味と牛肉ならではの甘みを持ち、口にしたときのとろけるような食感と噛むほどに増すコクが特徴です。
武州和牛が生育されている場所は、深谷市、本庄市、熊谷市、上里町など埼玉県の北部が中心です。平成13年に黒毛和牛の導入が始まり、15年に武州和牛の商標が登録されました。埼玉ののどかで自然豊かな環境の中、のびのびと育てられています。牛が日々口にするのもこだわりの飼料で、トウモロコシや麦を含め独自に配合されたものが与えられています。
ランキング2位:深谷牛
埼玉県の深谷市といえば「ねぎの里」。「深谷ねぎ」は全国的にも有名です。ですが緑あふれる深谷では、ねぎ以外の野菜、花などの生産農家も多く、中にはブランド牛を育てている畜産農家も存在しています。
土地の名を冠した深谷牛は、色鮮やかな肉に細やかなサシがたくさん入り、肉質が柔らかで、かつ滑らか。きめが細かく、口に入れれば甘みと風味がいっぱいに広がると評判です。
牛の品種は黒毛和種。生育されているのはもちろん深谷市のみで、和牛を生産してきた長い伝統があり飼育技術にも優れている畜産農家です。生産者・生産量は多くありませんが、系統のよい子牛を選び、高い技術をもって丁寧に育て上げています。
ランキング3位:彩の夢味牛(さいのゆめみぎゅう)
埼玉県の愛称として親しまれている「彩の国」。この名を冠したブランド牛が、彩の夢味牛です。
牛の品種は黒毛和種と交雑種。甘みがありながらも、クセのないサッパリとした味わいが特徴です。後味がよいので、肉そのもののうま味を感じられる料理にも向いています。
生産されている場所は、入間市、所沢市、深谷市、東松山市、神川町など埼玉県の各地。のびのびと過ごせる環境の中、すべての牛に同一のブランド用配合飼料を与えて、高い品質を確保しています。一頭一頭を管理台帳に記載し、健康や手入れの状況などを把握しながら丁寧に育てています。
埼玉県のブランド牛におすすめのレシピ
埼玉県産のブランド牛はさまざまな料理に使えますが、中でも牛肉の風味をシンプルに生かすメニューに向いています。ここでは、特におすすめのステーキ・ローストビーフ・肉豆腐のレシピをご紹介しましょう。
ステーキ
ステーキにおすすめの牛の部位は、サーロイン・ロース・ランプ・ヒレなど。調理の30分ほど前に冷蔵庫から出し、室温に置いておくのが上手に焼くポイントです。
【材料】2人分
・牛肉(ステーキ用厚切り):150g×2枚
・塩:小さじ1/2
・黒こしょう:適量
・オリーブオイル:小さじ2
【作り方】
1.肉の表面の水分をキッチンペーパーなどで拭き取ります。
2.肉の部位などにより筋があれば包丁の刃先で軽く切っておきましょう。
3.肉の両面に塩、こしょうをふります。
4.フライパンにオリーブオイルを入れて熱し、まず表面を下にして強火で焼きます。
5.焼き色がついたら裏に返し、合計で3分ほど加熱しましょう。
6.ミディアムの場合、アルミホイルをかぶせて3分ほど休ませます。
レア・ウェルダンなど焼き加減の好みによって、加熱時間やアルミホイルをかぶせる時間を増減しましょう。
ローストビーフ
ローストビーフにしておいしいのは、モモ・ロース・ヒレなどの部位です。ステーキと同じく、調理を始める30分前に冷蔵庫から出しておきましょう。
【材料】4人分
・牛肉(かたまり):500g
・塩:小さじ1
・こしょう:適量
・にんにく:1片
・オリーブオイル:大さじ1
【作り方】
1.牛肉に塩、こしょう、すりおろしたにんにくをすり込んでおきます。
2.フライパンにオリーブオイルを入れて強火で熱し、牛肉を焼いていきます。
3.順番にころがしながら、各面に焼き色をつけていきましょう。
4.焼き色がついたら弱火にし、フタをします。途中で裏返しながら5、6分加熱します。
5.フライパンから取り出した牛肉をアルミホイルでしっかりと包み、30分ほど置きます。
6.アルミホイルを外し、牛肉を薄切りにして完成です。
フライパンに残った焼き汁に、適量のバター、しょう油、赤ワインなどを加えると、ソースも作れます。
肉豆腐
肉豆腐におすすめなのは、肩ロース・バラなどの部位。牛肉を短時間でサッと煮るのが、柔らかさとうま味を生かすコツです。
【材料】2人分
・牛肉(薄切り):150g
・焼き豆腐:250g
・長ネギ:1/2本
・だし汁:200ml
・砂糖:大さじ2
・酒:大さじ2
・みりん:大さじ2
・しょう油:大さじ3
【作り方】
1.焼き豆腐は一口大に切り、キッチンペーパーで水気を切っておきます。
2.牛肉は4、5cm程度に切り、長ネギは斜め切りにします。
3.フライパンにだし汁と調味料をすべて入れ、煮立ったら牛肉を入れましょう。
4.牛肉の色が変わったら一旦取り出しておき、焼き豆腐と長ネギを入れて煮ます。
5.長ネギが柔らかくなってきたら、牛肉をフライパンに戻しましょう。
6.1、2分煮て、できあがりです。
糸こんにゃくやきのこ、春菊など好みの具材を加えるのもおすすめです。
まとめ
関東から離れた地域に住んでいる人にとっては特に、埼玉県でブランド牛を生産しているというイメージはあまりないかもしれませんね。ですが、埼玉でも全国に誇れるブランド牛として、武州和牛、深谷牛、彩の夢味牛などが生み出されています。
まだ認知度が高いとはいえませんが、それだけに希少価値のある味わいともいえるでしょう。シンプルに牛肉のうま味を感じられる料理で、ぜひ埼玉のブランド牛を堪能してみてはいかがでしょうか。