牛肉はなぜレアで食べられる?
豚肉や鶏肉は中までしっかり火を通す必要があるイメージに対し、牛肉はある程度火が通ればOK!という方も多いのではないでしょうか。
たしかにステーキを頼むとき、レア・ミディアム・ウェルダンなどの焼き方を選んだりしますよね。では牛肉は本当にレアで食べても大丈夫なのでしょうか。実は牛肉には、寄生虫や食中毒になるような菌がほとんど存在していないのです。つまり答えはイエスです。
牛の体質や脂育環境、食べているエサから考えると牛肉に菌はいません。ここで注意したいのが、牛肉に菌はいませんが表面には菌が付着している可能性があるということです。どういうことか説明しますね。牛をそのまま食べることはできないので、スーパーに並べるためにカットしたり加工したりされますよね。その中でまな板や人の手が直接お肉に触れることはどうしてもあります。実はそのときに菌が発生してしまうのです。
つまり正確には「牛肉の内部には菌はいないけど、表面には菌がいる可能性がある」ということになるでしょう。
これでステーキを生で食べても大丈夫な理由もわかったと思います。中身はレアのステーキでも、表面はしっかり焼かれていますね。つまり表面の菌は熱で殺菌されているので安全なのです。
牛肉は柔らかく脂がのっていてとても美味しいお肉ですので、ぜひ正しい知識で安全に食べていただきたいです。
レアと生食の違いは?
レアとは牛肉の表面だけ強火でさっと焼いて、中はほとんど生です。外側の菌を焼くことができます。
一方、生食は一切焼かないため生食は徹底した管理が必要なため、しっかりとした設備があるお店などしか提供できません。そのため、ネット通販等で販売しているユッケなどは生食用食肉取扱施設届出済のお店しか販売できない希少な商品なんです。
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牛肉をレアで食べるための調理方法
牛肉の表面に菌が付いているということはわかったのですが、それでもせっかくの牛肉なので生肉に近いレアで食べたいですよね。では表面の菌を殺すにはどうすれば良いのでしょうか。
答えは「75℃の温度を保ち、1分以上加熱」です。ほとんどの食中毒菌は、この75℃で1分以上加熱をすることで死滅するのですね。もしレアステーキをお家で調理する場合は、最低でも両面を1分ずつは焼いてください。表面にしっかり火が通っていれば安全に食べることができますよ。
生の牛肉というと、ユッケを思い起こす方も多いと思います。このユッケは集団食中毒が起きたこともあり、現在では飲食店で提供する際の法律も昔より厳しくなっています。ユッケを提供する前には、お肉の表面をトリミング(削ぎ落とす)しなければいけないというルールがあるのです。
このルールはもちろん、他にも提供するためには様々な基準が設けられています。これらの基準をクリアした飲食店だけで食べられるユッケですので、自分でユッケを作って食べるというのはやめておくことをオススメします。
自分で調理するときは、必ずお肉の表面を焼くことを覚えておきましょう。
牛肉をレアで食べる際の注意点
牛肉をレアで食べることはできるのですが、注意しなければいけないこともあります。まず大前提としてお肉が新鮮かどうかです。買ってきてから何日も経ってしまった牛肉や、消費期限の過ぎてしまった牛肉をレアで食べるのは危険ですのでご自身で禁止しましょう。色や匂いからも判断できるので、牛肉をレアで食べる際は必ず新鮮なお肉を使ってください。
先ほどもお伝えしたように「表面はしっかり焼く」ということです。お肉の表面には菌がついているので、必ず75℃以上で1分以上加熱しましょう。また併せて注意したいのが、牛肉を切ったまな板や包丁はしっかり洗うということです。お肉をよく焼き加熱したとしても、調理器具から他の食材に菌が移ってしまい、それが原因で食中毒を引き起こすこともあります。お肉の調理はなるべく最後にしたり、お肉と他の食材で調理器具を分けるなどの工夫をして、安全に調理してくださいね。
また、表面を焼けば大丈夫といっても、時間がたつと肉の内部まで菌は浸透してきます。小さなお子さんやお年寄りの方が食べる場合には、肉内部までしっかり火を通しましょう。せっかくの美味しい牛肉を食べてお腹が痛くなってしまっては悲しいですよね。
牛肉をレアで楽しむためのおすすめのレシピ
ステーキ
まずは定番のステーキです。おいしいレアステーキの焼き方をご紹介します。
まずお肉を焼く30分〜1時間前にお肉を常温に戻してください。お肉が冷たいまま焼くと中心部分まで火を通すために長時間焼くと外側がパサパサになってしまいます。
次にフォークなどでお肉をさして繊維質を断ちましょう。そうすることで筋を感じずに食べることができます。
プライパンで焼くときは高温で短時間がポイントです。レアにしたいときは強火で1分弱、両面を焼きます。おいしそうな焼き色がついたら火からおろしてOKです。ミディアムレアの焼き加減希望の場合は、そのあとアルミホイルでお肉を包み2〜3分休ませてくださいね。
ローストビーフ
次に紹介するのはレアのローストビーフです。牛肉の部位はもも肉がおすすめで、ブロックのものを使ってください。同じように牛肉を常温に戻し、強火で表面を1〜2分ほど焼きます。ブロックなので全体に焼き色がつくように焼いてくださいね。
表面に焼き色がついたら、ここからは低温調理です。旨味となる肉汁をお肉の内部にとどめるためにアルミホイルを二重に包み、30分〜1時間そのまま余熱でじっくり火を通します。その後、火から離して常温の所で休ませることで全体に熱が通ります。時間は好みによるので、いろいろ試してみてください。お家で簡単に美味しいローストビーフができますよ。
牛カツ
最後に紹介するのは牛カツです。カツというと豚肉が一般的ですが、最近では牛カツ専門店も増えています。牛カツの作り方も最初は同じで、調理する30分〜1時間前に常温に戻し、フォークなどで繊維質を断ちます。
牛肉に薄力粉、卵、パン粉をつけたら180℃の油で揚げていきましょう。揚げ時間は両面合わせて3分ほどです。揚げすぎると中まで火が通ってしまうので、表面がきれいなきつね色になるくらいを目安にすると良いです。
油からあげたら、バットなどで3〜5分ほど休ませて牛肉内部に火が通るようにして完成です。外はサクサク中はピンク色のレアでジューシーな牛カツも、お家で簡単に作ることができるのでぜひ試してみてくださいね。
牛肉をレアで楽しめるのは、何歳から?
レア加減で焼いたステーキ、ローストビーフなどの牛肉に限らず、お魚の刺身などの生物など、小さなお子さんがいる親御さんであれば、誰しもが考えたことがあるのではないでしょうか?
「親の踏ん切り次第」というと元も子もないですが、2歳過ぎたくらいから生物を与えている親御さんもいれば、小学生になってから という親御さんもいます。
が、世間一般的には”3歳〜”であれば、問題ない という考えが浸透しているようです。
というのもこれには根拠があり、3歳あたりには消化吸収機能が大人並みに整うといわれているからです。もちろん大人と同様、消化吸収機能、免疫力については個人差がありますし、3歳くらいのお子さんに大人と同一量の生物を与えるというのはリスクがあります。(特にレア加減に調理した牛肉などは噛みづらいです)
そのためお子さんの料理に取り入れる場合は、新鮮なものを、少量から食べさせてあげるようにしましょう。
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まとめ
お肉の中でも人気が高く高級感のある牛肉。日本の牛肉はトレーサビリティ等で安心・安全に牛肉を食べることができます。とはいえ、値段が高いから生で食べても大丈夫というわけではなく、また別にきちんとした理由があったのですね。
ちなみに豚肉や鶏肉は、中までしっかり火を通したほうが良いです。これも飼育環境や加工工程などが関わっていて、豚肉や鶏肉には菌がついていると覚えておきましょう。
また牛肉でも、レバーやホルモンは菌がついている可能性が高いので、しっかり火を通してから食べてくださいね。正しい知識をもって、お家でも美味しく楽しく牛肉を食べましょう。