美味しい牛肉を健康的に楽しもう!
日本人の多くの方は牛肉好きのはず。そんな牛肉は元気の源として考えて頂いても問題ありません。定番人気の焼肉やステーキなどで食べるのが一般的ですね。
食肉は力(エネルギー)を生み出すのはもちろんのこと、ダイエットや美肌・美髪などの美容にも効果があります。また近年では、メンタルヘルスの分野でも大変注目されています。
若い方はもちろんですが、年配の方も牛肉を積極的に食べている方は、健康を維持されているように思えます。しかし、食べ過ぎはもちろん注意が必要で、過度な牛肉摂取は、がんのリスクを上昇させると言われているからです。
節度をもった適量、適度な摂取を心がけることで、牛肉を美味しくいただけ、かつ健康でいられることは間違いありませんね。
今回は牛肉を食べることでの健康になる理由を様々な研究結果をもとに解説致します。
健康に不可欠の牛肉の栄養素
牛肉が健康に良いのは何故なのか。その秘密は牛肉に含まれる栄養素(成分)にあります。牛肉の栄養素とその効果、また不足するとどんな影響があるのかについてお伝えします。
タンパク質の効果
骨・筋肉・血液・酵素、髪や肌などを作り、人間の体に欠かせない栄養素です。20種類のアミノ酸から作られるタンパク質ですが、そのうち9種は必須アミノ酸と呼ばれます。(ロイシン、イソロイシン、スレオニン、バリン、メチオニン、フェニルアラニン、リジン、ヒスチジン、トリプトファン)
これら9種は体内で作ることができないため、食べ物から補う事が不可欠となります。
タンパク質の不足
力が出ない=エネルギーの欠如や貧血などを引き起こし、人間の体に必要な免疫力が落ちてしまいます。
ビタミンB群の効果
タンパク質をエネルギーへと変化させる役割をもつのが、ビタミンB群です。代謝ビタミンと呼ばれ、元気な体を作るための大切な役割を担っています。(B1・B2・B6・B12・葉酸・ナイアシン・ビオチン・パントテン酸の8種類)
ビタミンB1:身体や脳の疲労を回復
ビタミンB2・B6:皮膚や粘膜、髪、爪などの細胞再生
ナイアシン:アルコール分解の働きがあり、二日酔い防止にも効果的
その他のビタミンB群も各々、健康維持に必須な栄養素です。
ビタミンB群の不足
貧血などの症状。ビタミンB12や葉酸の不足で赤血球が減少することで起こります。貧血→酸素不足→疲労や息切れ、めまいなどの症状を引き起こします。
ヘム鉄の効果
集中力や記憶力、冷え性予防に効果があり、当然のごとく貧血予防にも力を発揮してくれます。肉類に多く含まれる“ヘム鉄”と、野菜などに多い“非ヘム鉄”がありますが、ヘム鉄の方がその効果を強く発揮してくれます。しかし、鉄分は汗などにより排出されるので、毎日補う必要があります。
ヘム鉄の不足
充分な酸素が体に吸収されなくなるために、疲労や貧血、免疫力の低下を引き起こしやすいです。
亜鉛の効果
人体に必要不可欠な免疫力。ウィルスや細胞の菌を退治してくれる大切な力です。免疫細胞を高めるのに効果があるのがミネラルで、亜鉛も大切なミネラルの一つです。
亜鉛は体内で作れないため、食品からの摂取が必須です。
新陳代謝や細胞分裂の促進し、子どもの発育から高齢者の健康維持まで大活躍のミネラル栄養素です。
亜鉛の不足
食欲不振や皮膚炎、免疫力低下に伴い、病原体の感染を起こしやすくなります。
オレイン酸の効果
コレステロールを抑制させます。善玉コレステロールを維持したまま、悪玉コレステロールが減少していきます。
これにより、高血圧や動脈硬化の予防に効果があります。
コレステロールのみならず、オレイン酸は牛肉の脂の甘みととろける食感を引き立ててくれます。
オレイン酸の不足
牛肉は、脂肪酸であるオレイン酸を多く含みます。不足すると、皮膚の乾燥や脱毛、血小板減少や血栓形成などの症状を引き起こす可能性があります。
アラキドン酸の効果
体内合成できず、食べ物から補うのが“必須脂肪酸”です。アラキドン酸はその一つ。
血圧や免疫を作る他、神経細胞を生成する働きがあります。
そのため、認知症予防やリラックス効果をもたらすと言われています。
アラキドン酸の不足
アラキドン酸は、神経細胞の結合に大きな役割を担っています。この神経細胞が減少は、学習能力や記憶力の低下、また、精神疾患を引き起こす可能性もあります。
1日当たりの牛肉摂取量
エネルギーを生み出す栄養素はタンパク質です。
免疫力を上げ、様々な病気から体を守ってくれる栄養素であることは、言うまでもありません。この重要なタンパク質は、牛肉からしっかりと摂取可能。とはいっても、やみくもに牛肉を食べれば良いというものでもなく、1日に必要な量を知ることが重要です。成人の1日のタンパク質の推奨摂取量は60gと言われています。
タンパク質20gが含まれる牛肉の重量は、例えば牛ヒレの場合は約96gです。1日に60gのタンパク質を取るためには、ヒレ肉に換算すると288gです。一回でこれだけ食べるには、結構な量ですね。
3回の食事にバランスよくタンパク質を取るためには、一食あたり20gとなりますが、牛肉のみならず、他の食品とのバランスをはかりながら上手にタンパク質を摂取することが大切です。
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栄養が豊富な牛肉の部位
一口に牛肉と言っても様々な部位があり、栄養素や美味しい食べ方も然りです。お値段も部位やその産地などによってマチマチです。以下で、牛肉の主な部位とその栄養素、美味しい食べ方などをご紹介していきます。
・ヒレ
(特徴)タンパク質や鉄分を多く含み、血液を作るビタミンB12が多い。
(食べ方)カツ、ステーキ、ローストビーフなど
・ モモ
(特徴)タンパク質と鉄分が豊富で、脂肪燃焼を助けるL-カルニチンが豊富(内モモ:脂肪分が少なく、柔らかい 外モモ:キメが粗く、固め)
(食べ方)両モモとも、煮込み料理に適している。
内モモ:すき焼き、ローストビーフ 外モモ:ポトフ、スープ、シチューなど
・リブロース
(特徴)脂質、ビタミンB6や亜鉛が豊富。
(食べ方)ステーキなど
・レバー
(特徴)レバーは部位でなく、牛肉の肝臓の部分。鉄分とビタミンが豊富。
(食べ方)串焼き、焼き肉など
・サーロイン
(特徴)高級部位。きめ細やかさと柔らかさの最高級品
(食べ方)ステーキ
・ バラ
(特徴)脂肪と赤身が層を成す。亜鉛や一価不飽和脂肪酸が豊富。
(食べ方)すき焼き、焼き肉など
・ 肩ロース
(特徴)糖質をエネルギーに変えるビタミンB1の含有率が高い。脂肪が適量。
(食べ方)しゃぶしゃぶ、すきやき、炒め物、焼き肉など
牛肉の脂肪(霜降り)は誤解されている?
「ブランド牛などに多い霜降り肉って美味しいけど、脂肪だよね・・・?」
「国産和牛といえど、”脂”ってだけで、なんだか体に悪そう・・・」
このように考えている方も多いのではないでしょうか?しかし、これは誤解です。
一般的に 脂肪=コレステロール=体に悪い のイメージですが、コレステロールと一概にいっても「善玉コレステロール(HLD)」と「悪玉コレステロール(LDL)」とがあります。
良質な牛肉の脂肪を食べると、血液の中の悪玉コレステロール(LDL)を減らし、善玉コレステロール(HLD)を増やしてくれる作用がはたらきます。そのことにより、血液がサラサラになるという訳です。
悪玉コレステロール(LDL)値が高くなるにつれ、動脈硬化・心筋梗塞などの病気になるリスクが高まりますが、「善玉コレステロール(HLD)」はこれを予防してくれるということです。
時としてネガティブなイメージがついてまわる”脂”ですが、良質な牛肉の脂は積極的に摂っていきましょう。
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まとめ
今回は牛肉を健康的に楽しむために、牛肉の栄養素やその効能などをご紹介しました。健康を気にしている人の多くは、牛肉はカロリーが高いことも含め、体にあまり良くないのではないかと思われるかもしれません。
しかし、牛肉には体に必要なエネルギーを作り出すタンパク質が、豊富に含まれています。
タンパク質を摂ることは健康の源です。タンパク質摂取に必要なアミノ酸もしっかり入っています。また、ヘモグロビンという色素を生み出し、貧血予防にも必要な鉄分もたっぷり含まれています。それらの栄養は免疫力をも高め、病気にかかりにくくなることにも繋がります。
記憶力や骨の強化の面から見ても、子供から年配の方までの健康な体を作りに、牛肉は欠かせません。
脂肪燃焼効果もあるため、ダイエットを試みる人にもおススメですし、メンタル面においても牛肉の効果は絶大だと言われます。
栄養面だけではなく、牛肉を美味しく楽しく食することも、何よりの健康に繋がります。食生活の中に牛肉を取り入れて、健康的な生活をしましょう。