最近は焼肉屋さんのメニューや通販サイト、スーパーの和牛コーナーなどで牛の希少部位のお肉を目にすることが多くなりました。希少部位とは、一頭の牛肉からとれる量の少ない部位のことを意味します。一頭の牛のどの部位からどれくらいの量をとることができて、どんな味がするのか。これらがわからないため、手を出してこなかったという牛肉好きの方も多いのではないでしょうか?
今回はそんな牛肉好きの方向けに、有名な希少部位について、レア度ランキング別にご紹介していきます。
希少部位のレア度ランキング!
シャトーブリアン
牛肉に詳しくなくても一度は耳にしたことのある名前ではないでしょうか?牛一頭からヒレ肉自体がわずか3%ほどしかとれない部位になります。そのヒレ肉の中央部分の最も肉質が良いとされている部位(大腰筋)がシャトーブリアンです。シャトーブリアンは牛からしかとることができず、牛一頭からわずか600g程度しかとることができないため高価です。また、その貴重さから「幻の部位」ともいわれます。
人間でも同じことが言えるのですが、活発に運動している部位というのは肉質が固くなります。このシャトーブリアンは牛の中で一番運動量が少ない部位なため、上品で滑らかな舌触り。非常に柔らかい部位になります。
おすすめの食べ方としては分厚く切りステーキにすることで、シャトーブリアンの良さを最大限に味わうことができます。
ミスジ
ミスジとは牛の肩甲骨の裏あたりに位置しているウデ肉のことを指します。肩甲骨の裏あたりには3本の筋が入っているため、ミスジと呼ばれるようになりました。外見的な特徴として、葉っぱのような形をしているのでわかりやすいです。焼肉店などでは「特上カルビ」と呼ばれていることもあります。
ミスジは一頭あたりおよそ2kgしかとることができないため、希少部位と呼ばれています。味の特徴としては、ウデ肉の中でも比較的運動量が少ない部位になりますので筋肉が発達しすぎず、肉質も柔らかく、ウデ肉の中でも最も霜降りが多い部分になります。口どけもよく、歯切れの良いあっさりとした食感が特徴です。
おすすめの食べ方としては、ミスジは醤油との相性が抜群なので、よりシンプルな味付けでステーキとして味わうことをおすすめします。
トウガラシ
肩から腕にかかる肩甲骨付近にある唐辛子に形が似ている部位になります。見た目の特徴から赤身肉の王様と言われます。牛一頭あたりとれる量にも個体差があり、わずか1〜2kgしかとることができない希少部位になります。そのため販売されている価格にも牛の品質や種類によってかなりの幅があります。
トウガラシは内側に細やかなサシが入っていて、肉質としてもとてもきめ細やかです。上質なトウガラシになればなるほど柔らかくなるのが特徴です。味もとてもさっぱりしていて赤身肉の甘味を味わうことができます。
おすすめの食べ方としては、ブロック肉をローストビーフにするか表面をサッと炙ったレア、もしくはミディアムレアで中心部が柔らかいまま味わうとトウガラシの良さを最大限味わうことができます。
トモサンカク
トモサンカクは牛の後ろ足の付け根にあるモモ肉のシンタマをさらに4つに分類したうちの1つの部位のことを指します。牛のモモ肉は、外モモ、内モモ、ランイチ(ランプ・イチボ)、シンタマに分類され、そのシンタマがトモサンカク、マルカワ、カメノコ、シンシンと分類されます。
牛の足の内側のことをトモとよび、商品用にカットする際に三角形をしていることからトモサンカクと呼ばれるようになりました。牛一頭から2〜3kg程度しか取れなく、赤身肉が多いモモ肉の中でもサシが入りやすい部位です。
トモサンカクは適度な歯ごたえがあります。また、脂と赤身のバランスが絶妙であるため、モモ肉本来の味わいに加えてジューシーさもしっかりとあり、1口で2度楽しめる味であることから、牛肉好きの方をはじめとして最近人気が高まっている希少部位になります。
トモサンカクはどんな料理にもむいている部位になりますが、おすすめの食べ方としては、塩やわさび醤油とともにステーキで。さっぱりとした味付けと肉の旨味のコラボレーションは本当にたまりませんよ。
ザブトン
ザブトンも希少部位の中では有名で人気のある部位になります。ザブトンはあばら骨側にある肩ロース部分の牛肉です。また、クラシタと同じようにロースの部分の中で最も綺麗なサシが入っている部分のことをザブトンと呼ばれることもあります。牛一頭からおよそ3〜4kgほどしか取れず、そのサシ(脂肪)の多さからとろけるような食感から人気の希少部位となっています。部位の形がこの葉形をしており、座布団のように見えることからこの名前がつけられています。
がっつりとザブトン本来の食感を味わいたい方には、塩胡椒のシンプルな味付けにガーリックチップスを添えたミディアムレアのステーキをおすすめします。
なかなかお目にかかれない?ホルモンの希少中の希少部位!
グレンス
グレンスとは、牛の膵臓のこと。牛1頭につき200gほどしかとることができないため、ホルモンの中でもかなり希少。滅多に市場に流通しない部位です。「牛のフォアグラ」とも称され、濃厚でとろっとした旨味が堪能できます。もしも、口にする機会がありそうならば、逃すべからず!な部位です。独特の脂を感じられますが、焼肉などで楽しめます。
リードヴォー
「ノドシビレ」という名称でも知られる部位。仔牛にしか存在しない部位で、胸腺(きょうせん)を指します。健康状態の良い仔牛からしか取れないことから、こちらも滅多に口にすることができない部位です。風味は濃厚でミルキー。まるで白子のようなニュアンスもある部位です。高級なフランス料理店などで利用されたりします。
希少部位の入手方法
ランキング別にそれぞれの希少部位に関してご説明してきましたが、続いてはそんな希少部位の入手方法についてご説明します。大きく入手方法は2つ、通販サイトで購入する方法と実際の店舗で購入するケースです。
まず、通販サイト。「牛肉 希少部位 通販」などで検索するとたくさんのサイトが表示されます。おすすめのサイトの選び方としては、「牛肉の種類や牛肉の仕入れ先などをしっかり明記しているか」、「お肉の鮮度はどうか」、「牛を一頭丸々仕入れているか」の3点が詳細に記載されているかどうかが大きなポイントになります。
その中でも牛を一頭丸々仕入れているとなると、豊富な希少部位を取り扱っているということにもなり、仕入れのコスト面を考慮しても、価格も比較的にリーズナブルであることが多いです。
次に実店舗の場合、こちらはしっかりと実物を確認することができるので、お肉の色やサシの具合などを視覚的に確認しやすいのがメリットです。実店舗で購入する場合には、こちらも通販サイトと同様に、牛を一頭丸々仕入れている店舗の方が、より希少部位を店頭に並べることのできる可能性が高いためそのような店舗を探してみることをおすすめします。また、購入する際に店員さんからしっかりとお肉についての調理方法などに関するアドバイスをもらえるような店舗であれば、なおおすすめです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は牛肉の希少部位についてご説明させて頂きました。希少部位はその名の通り、非常に流通する機会が少ないものが大半であるため、チャンスがあればぜひご賞味ください。
独特な風味のある希少部位からとろけるような希少部位まであり、普段とは違う新たな牛肉の美味しさに気づけるはず。
今回ご紹介させていただいた希少部位以外にもたくさんの種類があるので、気になる方や興味のある方は、ぜひ自分にぴったりの希少部位を探してみてくださいね。